ベトナム・ハノイにて2025年12月5日~12月7日に開催された The 39th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation (PACLIC 39) にて当研究室から上原と江連が口頭発表を行いました. (執筆者:上原,江連)
今回はベトナム・ハノイ市のVietnam Institute for Advanced Studies in Mathematicsで開催されました.
採択論文数は76件で,採択率は48.1%でした.著者の所属は,日本・韓国・ベトナム・中国・香港・台湾・フィリピン・インド・ポーランド・スリランカ・イギリスでした.
上原は,LLMがキャラクターになりきるロールプレイの能力を評価するための対話データセットを構築する研究について,口頭発表を行いました.
本研究では比較的マイナーな小説のキャラクターの対話でデータセットを構築することで,LLMが事前学習で得たキャラクターの知識ではなく,推論時に入力されたキャラクターの情報を使ってロールプレイを行う能力を評価することを目指しました.実験結果から,ロールプレイには単に推論時にキャラクターの情報や対話例を提示するだけでなく,ファインチューニングが重要であることや,ファインチューニングを実施した場合はファインチューニング用のデータに含まれないキャラクターのロールプレイ能力を獲得することができることが示されました.
セッション内で1番目の発表だったため緊張しましたが,練習の成果もあり,無事に発表を終えることもできました.質疑応答では質問を聞き返す場面もありましたが,最終的には質問者に納得してもらえる説明をすることができました. (上原)
Ryuichi Uehara, Michimasa Inaba: A Persona Dialogue Dataset of Lesser-Known Characters for Fairer Evaluation of Role-Playing LLMs, Proceedings of the 39th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation (PACLIC 39), 2025.
江連は,人間同士のストーリーの共同創作対話を分析する研究について,口頭発表を行いました.
本研究では,人間同士の共同創作対話における対話的特徴やアイデア量の関係を分析することで,人間とAIの共同創作環境において,AIが人間のアイデアを引き出すための対話戦略を明らかにすることを目的としました.実験結果から,AIはアイデアの提案を控え,ポジティブな感想や受け入れる発話を増やすことが有効な戦略になり得ることが分かりました.
発表については,前日まで何度も練習した成果もあり,無事終えることができました.一方で,質疑応答では,英語での回答をその場で考えて述べることに苦労しました.今後は即興で英語を話す練習をしていきたいと思います.(江連)
Natsumi Ezure, Michimasa Inaba: The Relationship Between Dialogue Acts and Idea Generation in Human–Human Collaborative Story Writing, Proceedings of the 39th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation (PACLIC 39), 2025.
Shuhei Yamashita, Daiki Shirafuji and Tatsuhiko Saito. Bridging the Modality Gap by Similarity Standardization with Pseudo-Positive Samples
この研究では,VLM(視覚言語モデル)を使用して,テキストクエリをもとにテキストと画像の両方を検索する設定において,画像の検索性能が低下する課題に対処する手法を提案しています.提案手法では,はじめに,ラベル付けされていないテキストクエリを用意し,テキストデータセットと画像データセットから各クエリとのコサイン類似度が最も高いテキストと画像を取得して,擬似的なテキスト-画像ペアのデータセットを作成します.次に,実際の検索クエリと検索対象のアイテム(画像またはテキスト)のコサイン類似度を計算します.最後に,クエリと先ほど作成したデータセット(検索対象のモダリティに合わせる)内のすべてのデータとのコサイン類似度を計算し,平均と分散を取得して,先ほど得たコサイン類似度を標準化します.これによって,テキストクエリによる画像検索の性能が大きく向上し,テキスト検索の性能低下もわずかでした.(上原)
Junichiro Niimi. Reference Points in LLM Sentiment Analysis: The Role of Structured Context
現実の世界では,ユーザがオンラインプラットフォーム上でレストランを評価をする際には,現在のお店の評価などのリファレンスポイントを参考にします.しかしながら,伝統的なレビューのセンチメント分析においては,レビューのテキストのみを使用しています.そこで,この研究では,LLMによるレビューのセンチメント分析において,リファレンスポイントを活用することに焦点を当てています.実験ではリファレンスポイントとして,「現在のレストランの評価」や「そのユーザが過去にした評価」などを使用しました.実験の結果,リファレンスポイントの活用は,センチメント分析のパフォーマンスを上げることが分かりました.また,LLMにリファレンスポイントを与えるときのプロンプトは,自然言語形式ではなく,JSON形式の方がパフォーマンスが高いことが分かりました.(江連)
初めての国際会議への参加だったこともあり,国際会議というものが実際にどのようなものなのかを知ることが出来てとても嬉しく思いました。ポスターセッション中に英語で質問するなど,初めての体験ばかりでとても充実した時間でした.
他の方の発表を聞いたり,話したりする際に,自身の英語力が不十分だと思う場面も多かったため,今後のためにも英語の勉強に力をいれていきたいと強く感じました.また,発表構成についてもとても参考になる発表を見ることができ,国内・国際に関わらず,今後の自分の発表に活かしたいと思いました.(江連)